経営の極意~所得税のカラクリ~ 2014年4月16日 4:00 PM
では、年々所得税負担が大きくなるカラクリを、
簡単なキャッシュフローツリーで説明していきます。
見るポイントとしては、手残り計算と申告計算では
経費に計上できる項目が変わってくるということです。
そこでの重要な項目が
・減価償却費
・元金の返済額
です。これを実際に数字でみていきます。
【手残り計算】
総潜在収入 810.0
▲空室損 45.0
▲滞納損 0.0
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実行総収入 765.0
▲運営費 121.5
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実際の収入 643.5
▲返済額(利息) 156.0
▲返済額(元金) 356.0
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税抜き前CF 131.5
【申告所得の計算】
総潜在収入 810.0
▲空室損 45.0
▲滞納損 0.0
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実行総収入 765.0
▲運営費 121.5
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
実際の収入 643.5
▲返済額(利息) 156.0
▲減価償却費 220.0
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課税所得 267.5
上記の図式のような計算式になります。手残り計算と
申告所得の計算では、青色で囲んでいる部分が
項目として変わってきます。
この項目が経年とともに同じように減少したり、同じように
増加するのであれば問題はないのですが、これが真逆の
動きをすることがデッドクロスの大きな原因になります。
この事例のように、手残り計算では手元に131万円しか
残っていないのに、税務署に申告する所得では、267万円
も利益が出たということで申告しないといけないのです。
こうなってくると何が起きるかというと、所得税を支払うと
赤字になる、ということが起きてきます。これを“黒字倒産”
と言います。
このようになる前に対策をきちんと考え、不動産経営をしていく
ことが大切になります。