経営の極意~これからはテナントリテンション~ 2014年5月1日 9:23 AM
今までの賃貸経営ではあまり意識してこられなかった
かもしれませんが、これからの賃貸経営で考えていかないと
いけないキーワードの一つに「退去リスク」があります。
今から20年、30年前は逆に「退去ビジネス」と言われるような
状態が賃貸経営の中で起きていました。
どういうことかと言うと、賃貸住宅の供給がまだ少なく、借り手が
溢れていた時代は、明らかに貸し手(オーナーさま)主導の
賃貸市場でした。ですので、年々家賃が上がっていたり、
退去したときの清算は借り手負担、次入居する方からは
家賃の6ヶ月や12ヶ月の敷金を預かるといった具合です。
このような貸し手主導のときは、退去リスクは少ないと言えます。
しかし、昨今の賃貸市場はこのバランスが逆転しております。
ということは、借り手に対して貸し手(賃貸住宅)が余っている
状態です。こうなると、オーナーさまにとって不利な状況になって
いきます。
いざ、最近の賃貸経営をみていくと、
・一度空いたら長期間空室のまま
・家賃を下げないと決まらない
・礼金、敷金がとれない
・仲介会社への広告料が増え続ける
・退去時の入居者負担額が少ない(国交省のガイドライン)
一度、部屋が空くだけでこれだけのリスクが発生して
きます。今まで、空室や滞納のリスク、金利上昇の
リスクなどについては対策を打ってきたオーナーさまも
おられると思いますが、これからはこの「退去リスク」に
対して対策を考え、アイデアを振り絞っていく必要が
あるのではないかと思います。
経営の極意~これからはテナントリテンション~ 2014年4月30日 4:33 PM
テナントリテンションを高めていく仕組みとして、もう一つ
効果的なことがあります。こちらから、そのマンションに
長く住めば住むほどメリット(快適な生活・充実した生活)が
ある仕掛けをすれば良いのではないかと思います。
ですので、例えば一年間、優良な状態でご入居頂いた方には
ポイントが貯まる仕組みをつくるのです。そのポイントを
還元してあげたらどうでしょうか。
例えば、ポイントが貯まれば、
・畳を交換
・キッチンなど部分的な専門家によるクリーニング
・旅行券
など100種類ほどのサービスに還元できる仕組みをつくって
おります。
家賃7万円のお部屋が退去して3ヶ月空くことを考えると、
それだけで21万円です。これが、このようなサービスに魅力を
感じて頂き、滞納もなく長く住んで頂けることで、退去リスクの
回避と次の入居促進にもつながります。1ヶ月でも早く入居が
決まればそれだけで7万円利益が増えるのです。そのための
サービスにいくら投資をするか、ということです。
これからの賃貸経営では、滞納リスクや空室リスクはもちろん、
退去リスクも増えてきます。
オーナーさまの立場で考える退去リスクとは、
①空室増加
②次回募集の家賃下落
③リフォーム負担
※敷金・礼金の減額傾向と入居者負担割合の減少
④募集促進費用の増大
⑤入居者の質低下
など様々です。
このような退去リスクを少しでも小さくし、1日でも長く住んで
もらえるサービスをオーナーさまご自身で考えて、実践して
いく必要があります。
経営の極意~これからはテナントリテンション~ 2014年4月29日 4:24 PM
キーワードは「家賃」です。
家賃と言っても、家賃には大きく3つの家賃が
存在します。
(3つの家賃)
①安売り家賃
②適正家賃(相場家賃)
③ターゲット家賃
図式にもあるように、オーナーさまはこの3つの家賃が
あることを認識することから始まります。一般的なオーナーさまは、
家賃が下がった、家賃が下がったと言っておりますが、
その家賃はどの家賃のことですか、と不思議に思うことが
あります。
ここで問題が起きてくるのが、
「募集家賃 ノットイコール 適正家賃」
という現象です。オーナーさまの中には、ここを間違って
認識している方が多いように思います。今募集をかけている
家賃が適正家賃であり、相場家賃だと勘違いされているのです。
私は家賃を下げることはお勧めしません。しかし、ここで言う
“家賃”というのは、“適正家賃”という意味です。ですので、募集家賃
から下げないのではなく、適正家賃から下げないということです。
あとは、オーナーさまがどの入居者層をターゲットにこの先
経営していくのか、という方針により変わってきます。
家賃を5,000円までなら下げて、それで満室にするぞ!とか
家賃は下げずに、100万円投資をして7,000円家賃を上げるぞ!
どちらも正解です。
計画を立て、キャッシュフロー分析のもとで、家賃を下げて募集をする
とか、投資をして価値を上げていく、ということを戦略的にすることが
大切なのです。
経営の極意~これからはテナントリテンション~ 2014年4月28日 4:24 PM
家賃を下げるか、投資をして家賃を上げる(キープ)するか
で経営は変わります。
しかし、家賃を下げて空室を埋めようとするオーナーさまが
非常に多いように思います。なぜか。
それは、簡単だからです。手っ取り早いからです。また、仲介
会社の営業マンは、
「○○オーナー、家賃を3,000円下げたら決まりますよ!」
とすぐ言ってきます。オーナーさまも、それで決まるなら良し
にしよう、と家賃を簡単に下げます。
しかし、よく考えてください。一度下げた家賃を上げることは、
2倍も3倍も努力と工夫が必要なのです。
ここで勘違いをしてほしくないのが、
“賃貸経営は何もしなければ必ず家賃(価値)は下がる”
ということです。これはどんなオーナーさまでも同じです。
だから、何もしないオーナーさまのマンションの家賃が下がる
ことは決して珍しいことでも、不思議なことでもありません。
当然のことなのです。
では、そのまま家賃を下げ続けるどうなるのか。考えるだけでも
ぞっとします。そのようにならないように、定期的に投資をして、
家賃が下がらない工夫をする、もしくは入居者に選んでもらう
ような努力をして家賃を1円でも高く貸していく工夫が必要に
なるのです。
ここから大切になるのが、「家賃」というキーワードです。
経営の極意~これからはテナントリテンション~ 2014年4月27日 4:23 PM
最近の賃貸住宅利用者の意識傾向としては、
家賃が少し上がってもこだわったお部屋に住みたい、
という方が増加しているみたいです。
ここ数年で“リノベーション”や“DIY”という言葉が
一般的に用いられるようになりました。それまでは、
賃貸経営においてこの言葉はまだまだ浸透して
おりませんでした。このような動きを考えてもこれからの
人々は、リノベーションやDIYということに興味がある。
一戸建住宅や分譲マンションに住む人だけでなく、
賃貸住宅に暮らす方々も同じ傾向です。
ですので、賃貸住宅で退去を機にリノベーションすると
家賃が10%ほど上がっても入居が決まるのです。
しかし、今までのリノベーションはオーナーさまや管理会社、
リフォーム会社が一方的にお部屋を作っておりました。
住んでくれるであろう入居者の世代やターゲットを明確にし、
コンセプトをつけたリノベーションをきちんと施工して
くれていればまだ救いはありますが、ただ部屋を綺麗に、
ただ間取りを変えて、良い設備を入れ替えるというような
リノベーションがまだ主流です。
それでも今は、そのような賃貸物件が少ないので、
入居は決まると思います。しかし、これも供給が増加して
きたときには厳しくなると思います。そこで、一方的に
綺麗な部屋や過剰な設備を提供するのではなく、
入居者に選んでもらう、入居者自らコーディネートする
リノベーションがこれからのテナントリテンションという観点で
みたリノベーションには必要になってくるのではないかと
考えています。
経営の極意~これからはテナントリテンション~ 2014年4月26日 4:23 PM
最近の賃貸におけるお部屋探しは、入居希望者からみると
とても受身の状態となっております。昔から比べると
インターネットが普及してきたため、少しは改善されて
きていますが、まだまだ受身だと感じております。
受身が良くないということではなく、そこを改善することで、
テナントリテンションという観点で改善することができると
考えています。
どういうことかと言うと、入居者が受身で賃貸のお部屋を
探していると、その部屋に愛着が持てません。そんな
お部屋は市場にいくらでもありますので、ちょっとしたことで
引越しということにつながります。
そうではなく、入居者が参加型でお部屋を探せるという
ような形に変えていくことが大事ではないかと考えています。
お部屋に愛着を持ってもらい、そのお部屋の代わりは他には
ない、と思わせることができれば、○だと思います。
そのような仕掛けの一つとして、
「壁紙・床材・キッチンシートを入居者に好きに選んでもらおう!」
ということをしています。
このようにすることで、入居者は内覧の段階から、ただ案内される
だけでなく、お部屋の中で
「あーでもない、こーでもない。こんなイメージがいいよね!」
といったように想像をしていきます。これが大切なのです。
そして実際住むときには、自分の好みに合った、そこにしかない
お部屋に住むことができるのです。
経営の極意~これからはテナントリテンション~ 2014年4月25日 4:23 PM
私が最近オーナーさまに口すっぱくお伝えしている
ことがあります。それは、
「これからの賃貸経営では、今までのように空室ができると
原因を分析し、対策を立て、実施する力は最低限必要です。
それ以上に大切になるのが、テナントリテンションを高める力
です。」と言って廻っております。
テナントリテンションとは、
“借りてもらう期間を延ばす”ということです。一度入居して
もらったら、1年でも長く、1ヶ月でも、1日でもというのが
オーナーさまの心情だと思います。
今までの賃貸経営では、
それは入居者の都合次第で、こちらではどうすることも出来ない!
と思っていませんでしたか。確かに、転勤などやむを得ない理由は
あると思います。しかし、オーナーとして何もせず、入居者の気分
次第で入退去を繰り返すような経営では、これからの賃貸市場で
生き残ることは難しくなってきます。
では、どうするのか。
それは、1日でも長く住んでもらえるような仕組み、サービスを提供
していくことです。賃貸経営は貸し手市場、リフォームすれば家賃
そのままで入居が決まる、というような話は過去の栄光です。
そこで、ここからは実際に賃貸管理などを通じて実践してきたことを
ご紹介させて頂きます。
経営の極意~所得税のカラクリ~ 2014年4月24日 4:22 PM
所得税対策として効果的なことが、
資産を組み合わせるということです。
もう少し説明すると、資産を組み合わせることで、
新たな減価償却を加えるということです。
減価償却費は以前もご説明したように、税務上
経費として計上することができます。
また、一般的には経年と共に減少していきます。
ですので、年数の経過に伴い新たな経費を
つくる必要があります。
そこで、新たな資産を購入するのです。新たな
減価償却費を購入するという考え方です。
減価償却費が増えると、税務上のキャッシュフローは
圧縮でき、税金を抑えることができます。
資産の組み合わせにより税金を圧縮すると共に、
新たに増えたキャッシュで先の賃貸不動産の繰上げ返済に
充てていきます。繰上げ返済をすれば、税金対策にもなり、
キャッシュフローがどんどんまわっていきます。
このように資産を上手に組み合わせて、資産全体で
考えていくことが大切です。
経営の極意~所得税のカラクリ~ 2014年4月23日 4:22 PM
簡単に説明すると、個人事業主でできる対策として、例えば
1)青色申告特別控除
2)小規模企業共済
などがあります。これはごくごく一般的な例です。
青色申告特別控除については、さきほどご説明をした通り
です。
小規模企業共済については、掛金月額は1,000円~70,000円
の範囲内で自由に選べます。払い込み方法も月払いか半年払い、
年払いから選ぶことができる共済制度です。
掛金については、全額課税対象から控除することができます。
気をつけないといけないのが、実際に手元からその分は支払わないと
いけない、という点です。
共済金を受ける際は、その発生事由により様々ですが、こちらからの
解約申し出については240ヶ月以降であれば、掛金を割ることは
ないかと思います。
共済金の税法上の取り扱いは、事由により退職所得扱いと一時所得扱い
に分かれます。ちなみに、解約を申し出た場合には、一時所得扱いと
なりますので、計画的に実施することが大切です。
経営の極意~所得税のカラクリ~ 2014年4月22日 4:21 PM
所得税対策として次に考えることは、運営が
始まった状態でいかに対策をするか、ということを
考えることが大切になってきます。
まず個人事業主であれば誰でもできることとして、
1)青色申告
があります。これは、毎年65万円を経費として計上
することができます。事業的規模としては、10室もしくは
戸建の場合は5棟という基準があります。この基準を
満たしているオーナーさまであれば、個人事業主として
青色申告をすることができます。
同じような考えで、所得税を抑えるためには
2)経費をつくる
ということもあります。経費の場合は、実際に出ていくお金
と減価償却費と言われる、実際には手元から出ていかない
お金があります。
また、個人と法人では違った対策を講じることができますので、
その点について詳細にみていきます。